HOME > 窒化技術紹介(ウルトラプラズマ窒化(Ultra Plasma Nitriding))
従来のイオン(プラズマ)窒化の欠点を克服した
ハイブリットプラズマ窒化
従来のプラズマ窒化(イオン窒化)では、径の小さいパイプ形状などの場合、
グロー放電が奥まで届かないため、内径を均一に窒化することができませんでした。
また、彫が深い形状の製品の谷間は、窒化層が薄くなる欠点がありました
(転造ダイスや歯車etc.)。
その欠点を改善し、パイプの内径を均一にし、谷間の形状製品の窒化層が改善することが可能になりました。
独自の技術によりプラズマ窒化を開発、進化した処理がウルトラプラズマ窒化(Ultra Plasma Nitriding)です。
ステンレスパイプの窒化 (内径φ3×外径φ4×100mm SUS304)
内径・外径両方ともに同じ厚みの窒化層を形成できます。
内径と外径が均一に
くっきり確認できます!
耐食性を維持した窒化層(S層)も形成できます。
ネジの窒化 (M6×20mm SUS316)
ネジ山とネジ谷との比較(同条件の比較)
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- 従来のプラズマ窒化の場合
従来のプラズマ窒化の場合、
山と谷の窒化層の差が大きかった。
- 従来のプラズマ窒化の場合
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- ウルトラプラズマ窒化(Ultra Plasma Nitriding)の場合
ウルトラプラズマ窒化(Ultra Plasma Nitriding)の場合、
山と谷の窒化層の差を改善しました。
山と谷の差
- 従来のプラズマ窒化:30μm
- ウルトラプラズマ窒化:20μm
硬度分析
ウルトラプラズマ窒化(Ultra Plasma Nitriding)は、
従来のプラズマ窒化の短所を克服した、
ハイブリットプラズマ窒化!!!
ウルトラプラズマ窒化のほうが窒化力もUP!!
ウルトラプラズマ窒化のほうが硬化層の厚みがUP!!
耐摩耗試験を実施
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- ピンオンプレート試験
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条件 滑り速度 100mm/s 負荷荷重 4kg 標準接触子 Φ3/16インチ鋼球 カウンター 400回(200往復) 温度 常温 試験比較 摩耗幅
耐摩耗試験結果
材質 | 従来窒化処理 | ハードプラズマ窒化 | 硬度差 |
---|---|---|---|
SCM440 | HmV650 | HmV900 | 250UP |
SACM645 | HmV1,000 | HmV1,350 | 350UP |
SKD61 | HmV1,200 | HmV1,550 | 350UP |
PX5 | HmV950 | HmV1,250 | 300UP |
SUS304 | HmV1,200 | HmV1,650 | 450UP |
高品質、無公害、省エネを実現した新しい技術!
化学反応ではなく、真空で電気分解するため、窒化防止が100%可能です。
多種の材質に適合できます。
真空中のグロー放電を利用した窒化法。処理時間が長い、脆化層が生成されるといったガス窒化の欠点を補うために開発されたものです。
放電処理炉を10−2~10−3Torr(mmHg)まで真空ポンプで排気した後、炉内に窒素ガスと水素ガスの混合ガスを導入し、ガス圧を1~10Torrの処理条件に合わせて設定します。放電処理炉全体は水冷され、これを陽極、処理製品を陰極とし、数百Vの直流電圧を印加、グロー放電を発生させ窒化処理を行います。
ガス窒化との大きな違いは「処理時間が短い」ことのほか、「窒化防止が100%可能(メッキまたは窒化防腐剤塗布などの手続きを必要とせず、軟鋼板のケースでカバーするのみで防止することができる)」「350~590℃の範囲の処理のため、ひずみが極めて小さい」「汚水を排出せず無公害」などが挙げられます。窒化防止した部分はバージンスチールの状態にあるため簡単にメッキなど処理することができます。また、真空中での処理のため、被処理物の表面状態は全く清浄で、加工後、後処理の工程を必要としないこともメリットの1つです。
用途
- 金型全般、工作機械部品、射出成形機部品など。
特徴
- 耐摩耗性・耐疲労性が良好。
- 深い硬化層が得られる。
- 窒化層の最表面層の状態をコントロールすることができる。
- 多種の材質に適合し、ミック処理(MIC処理)(特殊ガス浸硫窒化)同様、SUSの窒化も可能。